藤野道子
私は、
この命を、独り占めしないと決めています。
受け取ってしまったものは、
誰かに渡し切って、終わる。
それが、
私が生き方として選び続けている理由です。
生まれてきた以上、
無為では終われないと思っています。
誰かの、社会の、
役に立って生きたい。
生まれてきたからには、
役に立って、死にたい。
それは、立派なことをしたいからではありません。
そうでなければ、
この人生を引き受けきれないと感じてきたからです。
私は、子どもを産んでいません。
人口という視点で見れば、
私は、何も残していない側の人間です。
だからこそ、
自分が得てきた経験や学びを、
自分の中で終わらせないと決めました。
私は、人を救うことはできません。
代わりにやってあげることもしません。
でも、
一緒に考えることはできます。
ごまかさずに向き合う場所に、
隣に座ることはできます。
私は、
誰かの人生の主役にはなりません。
ただ、
逃げずに考えるための席に、
一緒に座ります。
この姿勢は、
仕事にもそのまま表れます。
私は、
楽な答えを先に出しません。
わからないまま、進みません。
一度預かった想いや目的は、
途中で投げません。
言葉になり、
形になり、
自分で使えるようになるまで、
一緒に考え続けます。
正直に言うと、
合わない方もいます。
丸投げしたい方。
考えることを避けたい方。
正解だけを、早く欲しい方。
そうした方には、
私は向いていないと思います。
でも、
自分の言葉で考えたい方。
逃げずに向き合いたい方とは、
長く付き合える存在でありたいと思っています。
ここまで読んでくださった方へ。
以下は、
私がどんな判断基準で生き、
どんな姿勢で仕事をしているかを、
あとから整理したものです。
先に理念があったのではなく、
生き方の結果として、
言葉が残りました。
この命を、独り占めしない。
自分が得たものは、誰かに手渡して、終わる。
言葉にならない想いを引き出し、
ごまかしを終わらせ、
自分で立つ覚悟を促す。
「あの人がいたから、逃げずに考えた」
そう思い出される存在であり続ける。
わからないまま進まない。
楽な答えを最初に選ばない。
自分が逃げない。
相手にも逃げさせない。
仕組みや言葉に落ちるまで終わらせない。
一度預かった想いは、途中で投げない。
私は、受け取ってしまった。
だから、
渡し切るまで、生きる。