あるクライアントさんから、こんなご相談を受けました。 「正直、パソコンのこと、よく分からないまま使ってるんだよね」

メールも、表計算も、書類作成も。「本当はもっと正しい使い方があるんだろうな」と思いながら、日々の業務で“なんとなく”使っている。 経営者の方であれば、この感覚、心当たりがあるのではないでしょうか?

不安の正体は、操作が分からないことそのものではありません。 「詐欺にあうかもしれない」「大事なデータが流出するかもしれない」 そんな“業務に支障が出る怖さ”を、漠然と抱え続けていることでした。

今回のコラムでは、そんな不安を解消するために私たちが最初に行った「1時間の取り組み」をご紹介します。

教室に通うのではなく、「業務の中で」学ぶ

最初に思ったのは「パソコン教室に通う」という選択肢でした。 しかし、多忙な経営者にとってそれは現実的ではありません。

「会社の業務の中で、スタッフと一緒に、必要なところだけ少しずつ学びたい」 それが本音でした。

そこで私たちは、月に1回・1時間。オンラインで「その会社に合わせた内容を一緒に確認していく時間」をつくることにしました。

まずは「Amazonを名乗る迷惑メール」の見分け方から

最初に取り上げたのは、一番身近で怖い「メール」の話です。 使っていたソフトは Microsoft Outlook。 実は、ひとつのソフトに複数のアドレスを設定できること自体をご存知ない状態でした。

専門用語は一切使いません。実際の画面を見ながら、一緒に確認していきました。

  • 誰から届いているメールか?(送信元の確認)
  • 日本語に違和感はないか?
  • 本文のリンクをすぐにクリックしてはいけない理由

特に多かったのは、Amazonを名乗る迷惑メールです。 「なぜ、こんなにたくさん届くのか」。その心理的な仕組みをご説明すると、「なるほど、そういう手口なんですね…」と、とても納得されていました。

「知らない」を「知っている」に変えるだけで

メールの話は1回では終わらず、次の回にも続きました。 後半では、ちょっとしたショートカットキーも一緒に試してみました。

「これだけで、こんなに早くなるんですね!」 そう笑いながら話してくれた時の、安心した表情が印象的でした。機能を“全部覚える”必要はありません。 まずは一息つくこと。慌てて操作しないこと。送信元を確認すること。 「知らないまま使い続ける不安」をひとつずつ消していくことが、デジタル活用の第一歩です。