正しいことを考えているからといって、それがすぐに売れるわけではありません。理念やビジョンも、人材の話も、人口減少も、どれも間違っていないはずです。
それでも、「今すぐ必要か」と聞かれれば、そうではない会社の方が多いのが現実です。

市場の声と、確定している未来の「ズレ」

現場の声はとても現実的です。今困っていること、今すぐ解決したいことにしか、お金は動きません。
一方で、人材や人口の問題は、少し先の話として後回しにされがちです。このズレは、構造的なものだと感じています。

それでも、事業の軸を変えた理由

それでも、事業の軸を変えました。売れるかどうかよりも、「遅かれ早かれ必要になる」と思ったからです。
余裕がなくなってからでは、できることが一気に減ってしまいます。そうなる前に手を打つ。それは、派手ではありませんが、経営として必要な選択でした。

「市場を追わず、市場を待つ」という選択

売れるものを追い続ける経営も、一つの正解です。ただ今回は、違う選択です。
今はまだ小さい市場を、育つ前提で待つ。今は、理解してくれる人は少ないかもしれません。それでも、その人たちと向き合える体制を、先に整えておきたかったのです。

このシリーズで残したかったこと

この「サービスを設計する」シリーズで書いてきたのは、ノウハウでも成功談でもありません。 決断の前にあった迷いや、心の引っかかり、そして考え抜いた過程そのものです。

数年後、振り返ったときに「あの時、私はこう考えていたんだ」と分かるように、記録として残しておきたかった。 この考えが正解かどうかは、まだ分かりません。

ただ、少なくとも今は、この事実に向かって進もうと決めています。 その「一歩踏み出した足跡」を、ここに記しておきます。