経営をしていると、目に見える成果が出る年と、そうでない年があります。 売上が伸びたとか、新しい仕事が増えたとか、周囲から分かりやすく評価される年。一方で、何をしているのか分かりにくい年もあります。
私は、その「評価されない年」を、何年か過ごしました。 特に、大きな役割を任されていた時期が終わったあと。次の役職もなく、目立った肩書きもなく、周囲から見れば「今、何をしている人なのか分からない」。そんな立ち位置でした。
焦りと、嫉妬と
正直、焦りはありました。これだけ関わってきたのに。これだけ経験してきたのに。なぜ、何も起きないのか。 自分より後に入った人が、どんどん前に出ていくのを見ると、心がざわつくこともありました。「私は、もう必要とされていないのだろうか」。そんな考えが、頭をよぎることもありました。
でも、その年を振り返ると、私は意識的に、“動かなかった年”でもありました。 不満を表に出すこともできたし、距離を取ることもできた。何か別の場所で、分かりやすい成果を取りにいくこともできたと思います。
誰にも見られていない時間こそ
それでも私は、その場に残ることを選びました。 理由は単純で、焦って動いても、自分の軸が定まらないままでは、同じことを繰り返すだけだと思ったからです。
評価されない時間は、自分が見られていない時間でもあります。 だからこそ、何を学び、何を考え、どこに力をためるのか。誰にも見られていないからこそ、その選択が、その人の本質になる。
私はその年、前に出ることよりも、考えることに時間を使いました。 自分が何を大切にしたいのか。どんな関わり方なら、無理なく続けられるのか。派手さはありませんでしたが、今思えば、その時間がなければ、次の判断はできなかったと思います。
評価されない年は、無駄な年ではありません。ただ、成果が外から見えにくいだけです。 経営者としての土台は、こういう年に、静かに積み上がっていく。そう実感しています。