「意識高い系は、帰れ!」「難しくて、わからん!」

かつて私は、真っ正面から「正論」を突きつけて、見事に敗れました。

地域組織のリーダーを決める選挙。私は、全国の舞台で学んできた「理念」や「規約の目的」こそが正義だと信じ、それを高らかに唱えました。しかし、返ってきたのは、想像を超えるほどの激しいハレーション(反発)でした。

最強の武器が、通じない。

「良いことを言っているはずなのに、なぜ届かないのか」
「長く伝えてきたはずの言葉が、なぜここでは『異物』扱いされるのか」

情けなさと、自分の未熟さを痛感したあの日。私たちが掲げた「理念」という最強の武器は、現場の「温度差」という高い壁の前で、音を立てて砕け散りました。

トップに立って組織を変えようとした私の挑戦は、一度、ここで終わりを告げました。

「軍師」として生きる決意

そんな失意の私に、新しくリーダーに選ばれた幼馴染が声をかけてきました。

「みっちゃん、専務をお願いしたい。私と一緒にやってほしい」

正直、複雑な気持ちがなかったわけではありません。なれなかった悔しさが一瞬で消えるほど、私は強くありません。

でも、彼女は幼馴染。あっけらかんとした太陽のような性格をよく知ってる。「彼女が見ている世界を、私も見てみたい」「彼女の夢を支えてみたい」という純粋な気持ちが、心の底から湧いてくるのを感じました。

「わかった、やるよ」

私は、即答しました。

「言葉」を捨て、「仕組み」で支える

トップとして旗を振るのではなく、一歩引いた「軍師」として、この組織を内側から支える。
理想を声高に叫ぶのではなく、誰にも気づかれないように、組織の土台を整えていく。

ハレーションを経験した私だからこそできる、「ステルス実装(摩擦なき翻訳)」という新しい戦い方。「正論」で勝てなかった私が、次に選んだのは「仕組み」で勝つ道でした。

これが、私が見据える「未来を仕掛ける」物語の、本当の始まりです。